投稿番号:045/タイトル:東山新吉の描いた八ケ岳
推薦場所:長坂ICを降りて信号を直進。中島クリニック手前付近
推薦理由/ 今から77年前(1928年)、長坂駅のプラットホ−ムに一人の学生が降り立った。東京美術学校三年の東山新吉である。当時新吉は甲信の山々に荘厳なもの、深いものを感じてとりつかれたように山々を歩いてはスケッチをしていった。この時は長坂駅前にあった旅館に1週間逗留し「山国の秋(試作)」を描きあげた。四年になって「山国の秋」を仕上げ帝展に出品し入選。これをみやげに卒業、同校の研究科に在籍し「東山魁夷」と名乗って、本格的に風景画家として歩み始めたのである。1997年、長坂町郷土資料館の澤谷学芸員がこの作品が描かれたであろう場所の特定に成功した。それがこの写真の場所である。前景の建物が近代化されてしまったが、東山魁夷の全作品中でも重要な意味をもつ作品の舞台となった場所は、八ケ岳南麓の一つのエピソ−ドとして八十八景に推薦しないわけには行かない。参考までに魁夷の試作の絵が紹介されている雑誌を持って撮ってみたが、あまりはっきり写っていない。詳しくは長坂町郷土資料館へ。絵が飾られている。
推薦地の最適季節・時刻/ 紅葉の頃
写真撮影日/ 2005年3月21日
推薦者/ 多賀純夫(北杜市)